2007-02-27


(ユーリ海老原アルバチャコフ)

 

年も明け2月、私はある地方の格闘技の大会を見に行きました。

 

そこで関係者のパーティがあり、参加させてもらえたのです。

 

そこになんと、ボクシングの外国人元世界チャンピオンが来ていました。
私は実は特にボクシングには詳しくはなかったのですが、その選手のことはもちろん知っていました。

 

ボクシ
ングの試合ではなく、彼はある選手のコーチとして来ていたのです。
私はその方の周りがすいたのをみはからって、写真をお願いしました。

 

そして「私もボクシングをやっているんです、ぜんぜん強くなれないんですけど」
といいました。
英語の国ではない人なので日本語で話してみました。
彼は日本での生活が長く、日本語が通じるようです。

 

物静かでクールな表情をくずさない元チャンピオンは、ほんのりと口に笑みをうかべてひとことこう言ってくれたのです。
「フェイントよフェイント、ボクシングはフェイントよ」
それだけ言うと、急がしそうにスタッフに呼ばれ、
挨拶の人ごみのなかに入っていかれました。

 

たったそれだけのことでした。