(珍しく花を愛でる)
格闘技を”見る”のは子供の頃から好きでした、父の影響です。
はじめて見に行ったのは3歳のとき、国際プロレスの金網デスマッチ。
ミゼットプ



(あーちゅ様のミットトレ)
ミットはジム生の初老の男性に持ってもらいました。
私ははじめ、この方はジムのコーチだと思っていたのですが、一般の人でした。
にこやかで優しくて、いつもジム生に毒舌の会長のいいフォロー役になっていました。
ミットというのは、なにより一番疲れるトレーニングでした。
シャドウやスパーリングなどは、自分の意志で手を休めることができますが、ミットは追い立てられて休む間もなく打たされるのですもの。
それにシャドウよりもうんと強く打たなければいけません。
とにかく打つのは右手のジャブだけ、
それだけで3分間のミットは、私にはハードすぎる練習でした。
右肩がぱんぱんになって、腕があがりません。
それでも、とにかくやり続けました。
それも3ヶ月ほど経つ頃には、それなりの形になり、続けてパンチを打てるようにもなってきました。
「ジャブというのは、磨けばそれだけでも充分相手は倒せるでな」
会長が言いましたが、とてもそれは信じられませんでした。
でもからかっているようにも見えませんでした。
そして
「そろそろ左も打ってみるか?」
12月のある日、ようやく左ストレートのお許しがでました。