(珍しく花を愛でる)
格闘技を”見る”のは子供の頃から好きでした、父の影響です。
はじめて見に行ったのは3歳のとき、国際プロレスの金網デスマッチ。
ミゼットプ



「ボクシングのエエところはな、鏡さえあれば練習できることだな」
会長はつねづね言っていました。
「目ができんうちはプロボクシングなんて見ちゃいかん
みんなタツヨシやらハメドやら真似したがるけどよ
タツヨシはアマチュア時代は基本がしっかりできたきれいなフォームやったんや
素人がいきなり真似してもできるもんじゃない」
「それよりも横でやっとるやつのことを良く見るんだ」
大きな鏡に向かって、並んでシャドウをやっていると、
自分がものすごくヘタで、横にいる他のジム生がとても上手に見えます。
それはわかります、でも何が違うのか、どうすれば私も上手に打てるのか、
とにかく見ました、マネしました。
ガン見です。
あまり見すぎてみられてるほうは照れくさそうでした。
センパイとはいえ、大学生や20代前半、私より10歳以上も年下の人たちがほとんどでしたからね。
ただ、毎日のように来る人は居ませんでした。
所属人数もほんとうに少ないジム。
私ひとりきりの時もしょっちゅう。
そんなときは鏡に映る自分だけが練習相手でした。
自分が相手、ガードは下がっていないか、アゴは引いているか、すぐにパンチを戻しているか。
鏡はどれだけ見ても目をそらしたりしません。(笑)
良く見て良く見て、、、
少しずつ少しずつ、センパイたちの動きに近づいてきたころには冬になっていました。