元プロボクサー

元プロボクサー

2007-01-27

 

2ラウンド目はもうただ歩いてついていっているだけ。

 

グローブがおもりのように重いのです。
手を上げることすらできない。

 

長い長い時間が過ぎ、あと10秒。。

 

ああ、やっと終わる、と思ったそのとき。

 

「ほれ」と軽くこつんと会長が私の右わき腹を叩く。
うぇwww

 

声をあげてうずくまるほど、それは効きました。
会長は「これがレバーや」といって笑いました。

 

はぁ。。
私には無理だわ。

 

その後は淡々と練習に戻り、
スパーリングのひどさについては誰にも何も言われませんでした。

 

会長はその年、還暦になるそうです。
プロ現役時代は短く、引退後は商売をしていたそうですが、ボクシングへの想いあってジムを造ったそうです。

 

でもあまり儲けようという気は全くない感じ。
そしてどう見てもその体型からは鍛えている風には見えません。

 

でも、私なんかがどれだけ一生懸命かかっていっても簡単にあしらえる、これが元プロっていうものなんだなぁ。

 

もとが根本的に違うんだから、感心こそすれ
くやしさなどは微塵も感じなかったのです。